いつか訪れる人生の終焉。アメリカで親族が亡くなったら、どうすればよいのだろうか。いざという時のために、葬儀に関する手順や習慣などは、こちらで生活していく上でも知っておくべき。
葬儀の手続き
亡くなった場所により手続きの方法が異なってくる。病院の場合、医師や看護師から死亡が告げられたら、すぐに葬儀社に連絡する。もしものケースを考えて、葬儀社への相談は早めにしておいた方が良い。葬儀社が遺体を引き取りに行く際は、遺族からのサインが必要。葬儀社の書類にサインできる人は、故人に法律的に一番近い近親者でなければならない。
例えば、夫婦の場合は、夫もしくは妻、未婚の子供は、親になる。法的にサインができる遺族がはっきりしないと、遺体は警察が引き取り、葬儀社はそこから手続きを始める。よくあるケースは、アメリカに遺族がいない場合、日本に連絡をして遺族にこちらに来てもらうようになる場合があるが葬儀社がすべての手続きを代行することもできる。また、自宅で亡くなった時は、警察がすぐに葬儀社に遺体引き取りを許可する場合と、警察が一旦引き取り、それから葬儀社が引き取る場合がある。警察から遺体を引き取る際には料金がかかる場合が多く、各カウンティー、状況によって料金が異なるため、要問い合わせのこと。
死亡証明書、埋葬・火葬許可書
葬儀社は、書類に遺族からのサインをもらった後、医師または警察の検死官による診断書の作成、保健所から死亡証明書、埋葬・火葬許可書を発行してもらう一切の手続きを代行する。なお、日本国籍を持っていれば、死亡から3カ月以内に総領事館へ死亡届を出す。
葬儀の種類
葬儀には仏式、神式、キリスト教式、無宗教式等がある。メモリアルサービスも同様。メモリアルサービスでは、遺骨に写真、花等を飾り、葬儀社や教会、寺で行う。葬儀やメモリアルサービスの告知を新聞に載せることも多い。「週刊ベイスポ」には、告知スペースがある。また最近は、火葬のみであったり、日本でサービスを行う人や、一切行わない人もいる。家族だけで行う場合は、その旨を葬儀社に申し出るとプライバシーを守ってくれる。
日本の葬儀との違い
日本の葬儀と大きく異なることは、遺体にエンボーム(Embalm)の処置をすること。エンボームとは、遺体を綺麗にし、防腐剤等を用いて保存すること。アメリカでは、火葬よりも土葬のほうが依然多く、火葬をする場合でも、葬儀の際はお棺を購入し、エンボームの処置をし、最後のお別れをするようになっている(故人の写真を持っていくと、髪型を整えたり、化粧をする時の参考になる)。エンボームの技術が発達しているため、遺体を日本や他の州に送ることもしばしばある。
お棺にはさまざまな種類があり、値段も1000ドル以下から1万ドル以上と幅広いが、後で火葬する場合は木のお棺を選んだほうが賢明(メタルの場合、火葬の時に燃えやすい棺に変える必要があるため)。
日本の物と違い、体が半分は見えるので、きちんとした衣服を用意すること。葬儀社によっては、賃貸用のお棺も用意してあるので尋ねてみるとよい。なお、遺骨を埋葬する場所は、墓地や納骨堂が一般的だが、すぐに決まらない場合は届出に自宅の住所を記入してもよい。後から変更することもできる(水葬などの場合)。分骨する人は、死亡証明書を作成する時に書き込まなければならないので、早めに葬儀社に申し出ること。遺骨は、家族が日本などに持ち帰ってもよいし、葬儀社が送る場合もある。
葬儀保険
故人のことを思い、一番よい葬儀やメモリアルサービスを行うことが多い。残された人は、悲しみの中でいろいろな事を決めなくてはいけないが、経済的負担を少しでも減らすための葬儀保険というものもある。
これは、元気なうちから自分や家族などの葬儀を前もって準備しておけるという利点があり、契約した保険金で葬儀が行われる。通常、日本で亡くなった場合でも保険金は支払われる。葬儀保険は、保険会社が葬儀社と契約しており、葬儀社が取り扱っている場合が多い。保険に入っていない場合でも死亡証明書にインフォメーションを書き込んだり、必要な書類にサインをして、予め葬儀社にファイルしておくこともできる。
Green Street Mortuary
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サンフランシスコのチャイナタウン・ノースビーチエリアに本社を構え、葬儀サービスを提供するグリーンストリート葬儀社。
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