視力検査と眼底検査(眼底カメラなどを用いて眼球の奥にある血管・網膜・視神経などを調べる検査)を受けることは、目の健康を維持するための重要事項。人間ドックの習慣がないアメリカでも、適切な時期に適切な検査を受けて視力を保ちたい。
視力検査と眼底検査を受ける時期
子どもの視力スクリーニング、眼底検査
生後から10代まで、子どもの目は成長し急速に変化する。全米眼科学会(American Academy of Ophthalmology)および全米小児眼科&斜視協会(American Association of Pediatric Ophthalmology & Strabismus)は、小児期の特定眼科検査ガイドラインを策定しているので、検査のタイミングなど参考に。
大人の基本眼底検査
早期に目の病気を見つけ治療することが、視力を保つためには重要。全米眼科学会では、40歳以上の人には完全な眼底検査を受けることを推奨している。ただし、一部の大人は完全な目の検査を40歳になるまで待たないほうがいい。①糖尿病②高血圧症③眼病の家族歴などの眼疾患または危険因子がある場合は、今すぐ眼科医に相談すべきだ。なお、眼底検査の後、眼科医が将来どのくらいの頻度で目のチェックをするべきかを教えてくれる。目の病気は加齢によりリスクが増加するため、年齢を重ねるほど、眼科医から提供されたスケジュールに従うことが重要になる。
高齢者の目の検査
65歳以上の人は、最低でも1年に1回視力検査と眼底検査をすることが勧められる。①白内障②糖尿病性網膜症③加齢黄斑変性症④緑内障といった加齢性眼疾患の徴候を調べる。
眼科医が行う検査の内容
総合的眼科検査はシンプルで苦痛はなく、大抵は45〜90分程で終わる。チェックされる項目は右記の通り。*
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視力検査やメガネ・コンタクトの視力調節に関しての保険はVSP(Vision Service Plan)やEyeMedなどの保険となるため、医療・健康保険でのカバーからは外れる。なお、アメリカの保険ポリシーの通り、VSPやEyeMedの視力検査は眼底検査と違う日に行われる
病歴
①家族の病歴②服用している薬③着用している矯正レンズなど、視力と一般的な健康状態について問診を行う。
視力
一般的に知られる眼底検査の一部。視力検査表を読んで、さまざまな距離でどのくらい見えるかを判断する。片方の目を覆い、もう片方を計る。この検査で視力をチェックする(例1.0、0.8等)。
矯正レンズの処方
フォロプター(眼位計)と呼ばれる装置を通し視力検査表を見て、最適な眼鏡やコンタクトレンズの処方を決める。
瞳孔
目に明るい光線を照らし、瞳孔がどのように光に反応するかをチェックする。瞳孔は光に対して通常小さくなる。瞳孔が拡大したり反応しなかったりすると、潜んでいる問題が明らかになる可能性がある。
視野、周辺視
側面視力低下(周辺視)は緑内障の症状で、知らないうちに視野を失う可能性がある。この検査では気付かなかった目の問題を見つけることができる。
眼球運動
眼球運動と呼ばれるテストで、目の動きを評価する。眼球が軸上に一直線に並んでいることを確認する。また、眼球の筋肉が正常に機能していることを確認する。
眼圧
眼圧検査では眼内の圧力(眼内圧)を測定する。眼圧の上昇は緑内障の徴候となる。目に優しく感圧チップを当てて検査。痛みをなくすため、検査の直前に角膜を麻痺させる目薬を使用する。
眼球の前部
細隙灯顕微鏡を使って眼球の前部を照らし、まぶた、角膜、虹彩そして水晶体を見る。白内障、角膜の瘢痕や傷をチェックする。
網膜と視神経
網膜と視神経の病気の損傷の徴候について調べるため、眼底検査では瞳孔を拡張する。瞳孔を拡張するための点眼薬を入れ、15分程待つ。拡張後4〜6時間程、目が光に敏感になることが多い。サングラスをかけておけば遠目は問題ない。
Spectrum Eye Physicians Yohko
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緑内障・白内障の診断から手術を専門に、眼科一般検診(視力・視野・眼圧・眼底検 査など)や眼科疾患の治療を行う日本人の先生。お気軽に日本語でご相談を。
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