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「境界」のない連続した世界へ -チームラボ特別インタビュー 

2021.08.05

配信

コロナ禍による一年以上の延期を経て、サンフランシスコのAsian Art Museumにて開催中のチームラボの展示「teamLab: Continuity」。東京を拠点に活躍するアート集団が今、サンフランシスコで作品を通じて伝えたいメッセージについて、代表の猪子寿之氏に話を伺った。


ーコロナ禍での延期を経て

本来であれば2020年5月より開催される予定だった「teamLab: Continuity」。サンフランシスコ・アジア美術館が5年以上かけて進めてきた改革プロジェクトの目玉として、サンフランシスコ最大規模となる美術展示スペース"Akiko Yamazaki and Jerry Yang Pavilion”のこけら落としとなる予定だった。

昨年のロックダウンにて美術館が休業を余儀なくされ展示の延期が決定した後は、再開について日程含め細かく話し合いを進めてきたという。

「2020年末にワクチンの目処がたったこともあり、その頃からちょっとずつ状況を見つつ美術館側の予測にあわせてスケジュールを立ててきました。7月23日から始められるという日程が決まってからはエンジニア含め数名で渡米し、準備を進めてきました」

ーサンフランシスコの印象は?

「思ったより『普通』だなというのが印象です。カリフォルニアは入国後の隔離もないですし、以前とあまり変わらないなという感じです」

チームラボ代表の猪子寿之氏

ーすべてが「影響」しあう作品

暗く照明の落とされたエントランス部分から足を踏み入れた瞬間に、光と感覚に満ちた空間が広がる同展示。8500スクエアもの空間に、インタラクティブなデジタル・インスタレーションが展開されている。鮮やかな色と光で彩られたスペースの中を自由に歩いて楽しむうちに、自分や同じ空間にいる来場者の動きが、作品に影響しているのを実感できるだろう。自分の足元から花が咲き、壁を舞う蝶に触れると儚く散っていく。蝶がいなくなればカラスが飛んできて、また別の空間で新しい蝶が生まれる。

これらの作品はあらかじめプログラムされたものではなく、来場者の動きや場所を感知し、それに反応するダイナミックなアルゴリズムで構成されている。

teamLab, Crows are Chased and the Chasing Crows are Destined to be Chased as well-© teamLab

「これらの動きは、何時間に一回、何分間に一回、と時間で設計されたものではなく、人々の動きによって、それらが影響しあって新しい動きを生み出しています。なので、1時間いてもすべての動きを見ることができない人もいれば、10分間ですべての作品の動きを見られる人もでてきます。実際我々も、どのように動くかは把握していても、それを思い通りに予測することは難しいんです」と同氏。

また、この空間では香りもデザインされている。春夏秋冬をイメージした4つの香りで、作品にあわせてゆるやかにゾーニングされているという。季節がうつろうように、会場を進むにつれて見て触れて、聞いて香って、身体中ごと溶け込んでいくような感覚を味わうことができる。


ー「境界」のない世界を体験して欲しい

10以上の作品が展示されているが、じつはそれぞれ作られた年代もコンセプトも異なっており、古いものだと10年以上前のものもあるという。今回の展示会では、それらが互いに影響しあって作品間を移動しあうという「境界」のない世界を体験できるようになっている。

例えば、展示中盤に現れる「Born From the Darkness a Loving, and Beautiful World」では、暗がりの天井から「蛍」、「雷」、「林」など様々な漢字一文字の書のアートがふわふわと降ってくる。それに人が手をかざすと、文字が体現されて、音と光とともに現れる。そこに、それぞれ別の作品からやってきたカラスや、魚、蝶や花も影響しあって、さらに新しい世界が現れる。風が吹けば花や雪が飛んでいくし、木には鳥が、花には蝶が集まるのである。人が触って花が散れば、遠くで新しい命が芽吹く。そこにはまるで「作品」と「鑑賞者」という境界もなく、我々も一部となって、その「連続性」を体感することができるのだ。

teamLab, Born From the Darkness a Loving, and Beautiful World-© teamLab


「本来生命は、生と死の連続性の上にある。我々は“連続性”の上にしか存在できない。連続しているこの世界を、人間は認識するために意識の中で勝手に「境界」をつくり、その境界をもって認識している。例えば、地球と宇宙の間に境界はないのに、人間は「地球」、「宇宙」と枠組みを作り名前をつけて、それによってそれぞれを認識しようとする。そうしていくと、物事は切り離されて分断されて成り立っているように感じてしまうけれど、本当はそんなことはない。すべては関係しあっているんです」と猪子氏。

「コロナによって分断を煽るような風潮もありますが、そんな今こそ、連続性の中で生きていること、それ自体を美しいと感じられる、賛美できるような体験をしてほしい。「連続しあった世界を統合的に味わう、そのものが幸福な体験であると、来ていただいた方が、自分自身の身体で移動しながら感じてくれたら」と語ってくれた。

teamLab, The Way of the Sea, Transcending Space - Colors of Life-© teamLab


ちなみに、チームラボの作品に共通する、鑑賞者と作品世界との境界が生まれない空間認識の論理構造、「超主観空間」は、アジアの古典から着想を得て生み出されたという。そうして端を発した作品の展覧会が、アジアの古典作品を世界で最も多くコレクションする美術館の一つであるサンフランシスコ・アジア美術館で実施されるというのもまた、「世界が連続性の上で成り立っていることの一つの現れですね」と言葉を添えた。

展示は現在開催中。入場にあたり事前予約が必要。チケットはウェブサイトより。


チームラボ
2001年に設立された東京を拠点に活動する国際的アート集団。アーティスト、プログラマー、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、さまざまな分野の専門家から成る。東京のほか、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、北京など世界各地で数多くの展覧会を行う。シリコンバレー・ベイエリアでは、2015年にアジア美術館、2016年にメンローパーク、2018年にパロアルトでの展示を実施している。


Asian Art Museum
【住所】200 Larkin St., San Francisco, CA 94102
【営業時間】金〜月曜 午前10時〜午後5時/木曜 午後1時〜午後8時
火・水曜 休館
【入場料】
会員、12歳以下、軍関係者および退役軍人は無料
大人20ドル、13〜17歳・大学生・65歳以上15ドル(平日)
大人25ドル、13〜17歳・大学生・65歳以上20ドル(休日)
※チケットは事前予約制、詳細・問い合わせはウェブサイトまで。


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