美容部員の日本代表として海外で活躍した経験を持つ藤尾妙子さん。現在は美容コンサルタントとして活動する彼女に、渡米してはじめに住んだ中西部とは違う、ベイエリアでの生活についてお話を伺いました。
ベイエリアに住むことになったきっかけ
2019年、夫の転職をきっかけに渡米、インディアナ州に引っ越しました。渡米前、夫は慎重でしたが「チャンスがあるのに挑戦しなかった後悔をしてほしくない」と思い、背中を押しました。私は欧州に憧れていましたが、実際住んでみるとアメリカのフレンドリーで気取らない雰囲気に魅せられました。2022年10月、再び夫の転職でベイエリアに移動しました。
ベイエリアに最初にきた時の印象
3年間住んだ中西部のレトロな建物が並ぶ街の雰囲気や、お話好きのウェイターさん、すれ違う人同士が笑顔を交わすことがアメリカだと思っていましたが、ベイエリアではメキシコを感じさせる建物やドライな店員さんに初めは戸惑いました。同時に、すれ違う人種も含め、アジアや日本に戻って来た感覚で落ち着きも感じました。
ベイエリアの今の印象
感度や向上心が高い人で溢れる刺激的な場所。自分のありたい姿や可能性を教えてくれる場所です。
どんなお仕事をされていますか?
世界共通のものさしを用いた「顔立ち分析」、それを基にしたメイクやクライアント様の「なりたいを叶える」テクニックをコンサルティングしています。具体的には、一般女性へのメイクレッスンやパーソナルカラー診断、また、それを受けてくださった方へのお買い物サポートなどを、対面やオンラインで行っています。
美容部員時代、日本代表として海外でも活動しました。中国圏では、美容カウンセラーやメーキャップアーティストとして、イタリアでは、エステティシャンとしても活動しました。この経験から、「様々な骨格を分析するスキル」が身につきました。また、生まれつきのあざやガン治療による深い外見上の悩みをお持ちの方へ対応する、ライフクオリティ・メーキャップの研修にも積極的に参加し、「幅広い悩みに対応するスキル」を修得。また15年間で3万人以上にコンサティングした経験から、「あなただけへの提案」を強味としています。
その道に進むことになった
きっかけ
ただ人が好き。美容が好き。というのがきっかけでした。
英語を使って
仕事することについて
ベイエリアは日本人が多いこともあり、日本語で仕事をする機会が増えましたが、中西部在住の頃は、メイクのデモンストレーションや、対面やオンラインでのカラーセッションを英語でしていました。アジアのトレンドであるパーソナルカラーと自分のセンスを「新たな美容文化」として伝えられることに誇りを感じました。
英語を使う環境下では文化に違いがあるので、「なぜこんな提案をするのか」などのステップを、日本人同士のときよりも丁寧にすることが大切と感じます。中国語通訳時代、言語=文化だとつくづく感じました。相手の文化を考慮して接することも簡単ではありませんでしたが、渡米後、より多くの人種と接する中で、自分の発する言葉の理由や背景を伝えることでより相手と心の距離が近付くと思いました。
あなたにとって仕事とは
生き甲斐。自分のスキルを通して、誰かの役に立てていることをダイレクトに感じることで「生」を感じます。私は文字を読んだり、勉強するのが苦手な代わりに、人との関わりの中での成長を重視しています。真摯に全力で目の前のものに向き合えば、必ず周囲の方が次のステップを教えてくれると信じています。
子どもの頃になりたいと思っていた職業
美容師か保育士。小さい頃、誰かの髪の毛を触ったり、赤ちゃんの世話をするのが好きだったから。
もし、いまの仕事に就いていなかったら
接客業などの人と直接関わる仕事には必ず就いていたと思います。これからも、美容でなくても誰かの外見や内面が変化する瞬間を見られる特等席にいたいと思います。
現在、どんなおうちに住んでいますか?
リビングから海が見えるアパート。独立記念日にはテラスから花火が見えました。以前も湖が見えるアパートに住んでいたことから、自然を少しでも感じていたいです。
よく利用する日本食レストラン
そういえばラーメン屋以外に行ったことがないのですが、その中では大勝軒が好きです。
もし、100万ドル当たったとしたら
赤のJeepラングラーを買って、その残りは私と同じように美容で誰かの役に立ちたい方が学べるスクールなどの施設やシステムを作りたいです。
日本からベイエリアに持ってくるもの
アメリカでは高い化粧品、眼鏡(多いときは4本)、高級食パン、デパ地下のお菓子等。
おすすめの観光地
まだカリフォルニアは開拓途中なので他州のおすすめを。20州以上旅して良かった場所は、フランス植民地時代の建物と、クレオールやケイジャン料理を楽しめる「ニューオーリンズ」。入園した瞬間から別世界の「ザイオン国立公園」。60カ国以上旅してきた元バックパッカーの夫が立てる旅行プランは、どこを旅しても独特でもあり格別です。多分。
永住したい都市
老後は中西部の湖が見える家でゆっくり。または自分が生まれ育った関西。
5年後の自分に期待すること
今と変わらず「楽しい」「成長」を追及していてほしい。そしてお互い苦手分野を補いあえる夫とだからこそ目指せる社会貢献をしていてほしい。
自分を動物にたとえると
犬。人が大好きだから。もちろん辛い経験もありますが、最終的には人と関わることをやめられない。
座右の銘
「最悪を想定して最善を尽くす」どんなに不安なこともしっかり準備して全力で挑めば、最悪の結果にはならない。むしろ最悪に至らなかった結果に感謝できる。
プロフィール
藤尾 妙子
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Fujio Taeko
コテコテの大阪出身。顔立ち別メイク& パーソナルカラーコンサルタント。12年勤務した化粧品会社での海外勤務をきっかけに、異国で働く夢を持つ。その後フリーランスに転身。オンラインを導入し世界中どこからでも、誰かの日常に彩が加わるきっかけ作りを生き甲斐としている。Instagram: @tae_miaozi