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自己認識を変え、可能性を広げる -山内 祐介-

2023.07.05

配信

海上自衛隊で幹部自衛官として10年勤務したのち、国際結婚を機にベイエリアに移住した山内祐介さん。現在会社員として働くかたわら、自己認識変容の観点から様々な活動を行っている。そんな山内さんに話を伺った。

 

ベイエリアに住むことになったきっかけは?


2012年に一等海尉としてモントレーの米海軍大学院へ留学。経営学修士を取得後、徳島第24航空隊航空機整備班長として勤務するも、家業引き継ぎのために惜しまれつつ退職。2015年に国際結婚を機にベイエリアへ移住しました。

 最初にきた時の印象  


日本と比べ、個人をより尊重する気風があり、何事も強く主張される場所だと感じました。自衛隊では常に法的根拠に基づいて行動することに留意し、職位の責任を果たすことを第一優先に勤務していました。そのため個人の主張は部下と自分を守るためにするもので、必要がなければ慎むというものでした。しかしベイエリアで生計を立てるにあたって、自分が何をできるかを主張していかなくてはならないと痛感しました。アメリカ育ちの妻からは、自分を過小評価し過ぎているとよくアドバイスされました。

 ベイエリアの今の印象  


日系企業数社で勤務したことによって、主張をしっかりしなくてはいけないと実感しつつも、その弊害も見えてきました。皆が言いたいことを言うだけで中身がないもの、上手く行っているように見えてもシステムとして成り立っていないものも多いと感じます。そのため自分なりに日本の良さも取り入れることで、メンターに「切れ味の良い刀であり、おもてなしの人、closeする人」と言ってもらえました。日本人で良かったと感じるとともに、ベイエリアは良いものを生み出せば、受け入れてもらいやすい場所だと考えます。

 あなたにとって どんな場所ですか?  


自分のアイデンティティを根底から変えられた場所であり、それを生かしていきたいと思える可能性に満ちた場所です。

 どんなお仕事、活動をされていますか?  


CeptonというLidarのスタートアップ企業でサプライチェーンマネージャーをしています。その他、Yoctosec.Designという物販ビジネス、古武術やヒーリングイベントの企画、家庭教師、日本語補習校の代行教員をしています。人間に本当に必要なことは何なのかという視点で活動しています。

 専門分野について教えてください  


大学専攻は航空機や潜水艦向けのエンジン熱力学、機械システム工学、大学院専攻は公共政策と経営学ですが、仏教の中高学校、防衛大学校、米海軍大学院で学びましたので、本当の専門は自己認識改革と組織運営です。オペレーション管理、生産工場移転、社内ERPシステム導入、学生クラス管理、氣功クラス開催、依存症患者ケアといった人に関する企画に多く携わっています。そのため各分野の専門というより、どうやって人間性を高めながら専門家チームを運営し、組織に考えを適用していくかということに注力しています。

 その道に進むことに なったきっかけ  


仏教の考え方が強く影響していると思います。世界平和、身近な人の幸せ、自立を考えて自衛官になりましたが、繰り返されるシステム起因の問題と最新軍事組織行動学から、本当に必要なことは何なのかを考えさせられました。特に、軍人やゲリラが自己の枠組みを超えて対話をすることにより、非暴力的に紛争を解決している姿を見て大きく感動しました。社会的成功や資本主義的成果だけでなく、人間が自己認識を根底から変えることが世界を望む方向へ変えていく大きな要素だと考えて活動しています。

 英語での成功体験、失敗体験があれば教えてください  


アメリカ育ちの妻と結婚したことが最大の成功体験です。失敗体験は、意図せず下ネタを話しているとよく言われます。それで場が盛り上がっているので成功かもしれません。

 あなたにとって仕事とは?  


自衛官を退職する際、人生で最も大きな葛藤がありました。私にとって仕事や職位が、自分のアイデンティティそのものだったのだと思います。最初に退職を申し出るのに半年かかり、話しを切り出す時にはお世話になった上司と部下の顔が思い浮かび、声が出なくなるほど緊張しました。移住してからも仕事で様々な葛藤と学びがありました。部下がついてきてくれたのは職位のためであって、自分が立派であったわけではないと自覚していたつもりでした。しかし移住して、長らくやっていなかった雑用を頼まれたことで、自分が思い上がっていたことを実感し自己嫌悪したものです。そんな中、メンターに「ベイエリアでは色々な仕事をして、自分の可能性を広げていくことが重要。ここは価値のある人やアイデアが花開ける場所なんだ。そのために必要であれば君が転職するとしても応援する」と言ってもらえ、今でもその言葉に救われながら日々の勤務に取り組んでいます。今では、仕事とは「自己表現をしながら価値を提供しつつ、同時にその自己を常に変容させていく媒体」と考えています。

 子供の頃になりたかったもの  


映画の影響で、ジャッキーチェン、トムクルーズ、パイロット、宇宙船エンジニアになりたいと思っていました。今でも現在進行形のつもりでいます。

 もし、いまの仕事に就いていなかったら、どんなことをやっていると思いますか  


どんな仕事であっても、世の中と人間に本当に必要なことを追求する仕事をしていると思います。

 現在、どんなおうちに住んでいますか?  


2ベッド2バスルームのコンドミニアムです。出身の名古屋ではかなり治安の悪いところに住んでおりましたので、アメリカでもたくましく生きられるよう、治安の悪い所にしました(負け惜しみです)。日本のオートバイパーツを販売しているので、ガレージにはレンタル用オートバイ3台、車2台を無理矢理入れており、妻からはテトリス旦那と呼ばれています。

 休日の過ごし方  


色々な科目のチューターをしている他、家族で娘の成長を楽しんだり、趣味のサイドビジネス、オートバイ、車イジリに取り組んでいます。

 最近日本に戻ったときに 感じたこと  


昔は、地元や過去の仕事を懐かしく思いましたが、今ではニュートラルな気持ちです。自分のアイデンティティや考え方が、出身地や職業に大きく影響を受けていたと実感しました。よく学んだ上で新しいものにもオープンでありたいと考えています。

 ベイエリア生活で不安に 感じること  


AI技術等の発展によるシンギュラリティの到来に不安と期待を持っています。自己認識についてもインナーエンジニアリング、PNSE研究により大きな変革があるのではないかと考えています。

プロフィール

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Yamauchi Yusuke

愛知県名古屋市の治安の悪い場所で育ち、仏教学校で改心して防衛大学校へ進学。その後、幹部自衛官として海上自衛隊で10年勤務し、30台半ばでアメリカへ移住。現在は平日会社員、週末は日本語、高校数学、古武術の教師をしつつ、世の中、組織、人間に本当に必要なことは何なのか、自己認識変容の観点からアプローチしている。

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