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ワクワク・ドキドキを再発見できた場所 -御澤 泰-

2023.05.31

配信

2022年、ASKAのプロジェクトを知り新たな挑戦を機にベイエリアに住むことになった御澤泰さん。航空スタートアップのASKA Drive and Flyで「空飛ぶクルマ」の開発に携わる御澤さんに、ベイエリアの暮らしについて聞いた。。

 

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年は?


友人からASKAのプロジェクトを知りeVTOLの製造開発に挑戦したいと思い、2022年7月に渡“ベイ”しました。初めてアメリカに住んだのは2016年12月から3年半で、ワシントン州モーゼスレイクという片田舎に国産ジェット旅客機の飛行試験のため渡米していました。

 ベイエリアに最初にきた時の印象は?  


初めてサンノゼ空港に降り立ったのは、ベイエリアに移住する前の2017年。前職で国産ジェット旅客機を日本から米国の飛行試験場までフェリーフライトする際、整備搭乗員としてサンノゼ空港に燃料給油のために立ち寄りました。出発時のブリーフィングで、「2機あるエンジンのうち1機が停止した場合、アメリカ本土まで30分届きません」と言われた時は乗り込むのに少し戸惑いましたが、機内からサンノゼ周辺の山々が確認でき、無事に着陸した時はとてもホッとした記憶があります。

 ベイエリアの今の印象  


日系スーパーマーケットが多くあり、何でも手に入って快適過ぎるので、あまり日本の外で生活している気がしない場所だなと思います。

 あなたにとって、ベイエリアはどんな場所ですか?  


新たなワクワクドキドキを再発見させてもらえた場所。気候も良く自転車通勤には快適な環境ですね。


 どんなお仕事をされていますか?  


eVTOL(Electric Vertical Takeoff Landing Aircraft)やUAM(Urban Air Mobility)といわれる電動航空機の開発、製造をしています。電動航空機の中でも、ヘリコプターのように離発着し、一般的によく見る固定翼機のような水平飛行をする開発機はありますが、車としての機能も兼ね備えた、文字通り「空飛ぶクルマ」として開発している会社は、世界中でもASKAだけなのではないでしょうか。世界をあっと驚かせることができる航空機のプロジェクトに携わることができてとても嬉しいです。エアライン時代の整備士としての観点や、国産ジェット時代の製造側からの経験を生かし、新しい時代のモビリティを創り出すのは大変ですが、近い将来、世界がガラッと変わることを想像すると、とてもやりがいを感じます。



 自分の専門分野について  


航空機の整備、製造が専門分野です。航空整備士から始まったキャリアですが、整備には整備のプロセスややり方があり、製造には製造ならではの考え方があるので、うまく融合させて作業性や機材品質が良くなるようにしています。さらに利用者がより簡単に運用でき、安心安全に使用できる航空機にしていきたいと思っています。また私自身、新しい技術を多く掴むチャンスでもあるので、飛行機屋として自分の専門分野を拡げていきたいと思っています。

 その道に進むことになったきっかけ  


兄が自動車の整備士だったので、もっと大きな製品を扱う仕事がしたいと思い、高校生の時より航空の道を選びました。とても面白い人生になっているのでその時の自分を褒めてあげたいと思います。

 英語を使って仕事をするということ  


英語の語彙力もなく、現地スタッフに作業を説明するのはいまだに大変なのですが、チームにいる各個人の国民性や文化を理解して、相手の背景を考えながら、どこまで丁寧に説明すべきかを考えるようにしています。多様性のあるチームでも志を同じように持ち、高い品質を作り出したいですね。

 英語での成功体験、失敗体験があれば教えてください  


初めて会う方に仕事の進捗を確認しに行った時に、「アイムダン」と言われダンさんと名乗ってくれたと勘違いし自己紹介を始めたら、ちょっと不思議そうな顔をされ、よくよく聞くと「I’m(I’ve)done.(終わったよ)」とのことでした。

 あなたにとって仕事とは?  


今までの仕事が志事(こころざしごと)になっているので、引き続き“志事”に向かって常に挑戦し続けたいと思っています。

 いまの仕事に就いていなかったら  


スポーツ全般が好きなのでスポーツインストラクターにでもなっていたのかもしれません。スキーのインストラクターとして高校生に教えていたことがあります。

 現在、住んでいる家  


プール付きのアパートに住んでいます。娘が顔を水につけられるようになったので良かったと思っています。

 休日の過ごし方  


生まれたばかりの娘がいるので今はまだ行けていませんが、ステートパークやナショナルパークにハイキングやキャンプ、スキーをしに家族で出掛けたいと思っています。一人で行けるチャンスを与えてもらえるのであればサーフィンや、新しい趣味としてゴルフを始めてみたいと思っています。



 好きな場所  


こちらに引っ越してくる前は沖縄に住んでいたので、子供たちはサンタクルーズやハーフムーンベイの海岸で遊ぶのが好きなようです。

 もし、100万ドル当たったとして、その使い道  


キャンピングカーを買ってスノーボードや、サーフボード、自転車、天体望遠鏡など、思いつく楽しそうなモノを持って北米大陸中、色々なところにロードトリップに出かけたいです。

 日本に持って行くお土産  


Woodinville Whiskey Barrel Aged Maple Syrupを持っていきます。ウイスキー醸造後の樽を使用して作られたメープルシロップで、ウイスキーの香りがする一風変わった大人のメープルシロップです。フレンチトーストはもちろんバニラアイスにかけるのがオススメです。

 日本からベイエリアに持って帰ってくるもの  


つけてみそかけてみそ(愛知県在住時にハマりました)

 現在のベイエリア生活で、不便を感じるときや不安なこと  


医療と物価。子どもの突発的な体調不良時に、かかり付け医に連絡してもすぐに予約が取れない時は不便だと感じます。

 日本に郷愁を感じるとき  


アパートのジャグジーに入るたびに、硫黄泉の露天風呂に入りたいなーと思っています。

 5年後の自分に期待すること  


これまで築いてきた航空関係のコネクションを生かして、ASKAをさらに発展させていきたいです。他にはプライベートパイロット資格取得も検討したいと思っています。

 最近読んで印象に残っている本  


前田伸二著『夢を実現するための方程式』日本出身で片目の見えない飛行教官・パイロットが単独世界一周フライトを成し遂げた経験から人生における大切なことを語っている本です。実は著者は高校の先輩で、結婚前からワシントン在住時にも家族共々お世話になっています。この本の方程式に従って私の未だ定まらない将来の夢を実現させたいと思います。

 座右の銘


「誠実に勝る知恵なし」学生時代の恩師がくれた言葉で、今までの整備製造時代には合っていたと思いますが、今の環境では誠実のみでは解決出来ないことことばかりなので、この座右の銘も念頭に置きつつ別の言葉も考えてみたいと思います。

プロフィール

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Yasushi Misawa

埼玉県鶴ヶ島市出身、航空高校、航空専門学校を卒業後、日本航空の整備部門に就職。航空機の離発着整備に約10年間従事した後、国産ジェット旅客機の製造に夢を抱き転職。設計や生産技術を経て最終組立や地上試験、飛行試験を担当した。事業凍結中に友人から「ワクワクドキドキしませんか?」とASKAを紹介され二つ返事で渡米を決意。現在、ASKAにて空飛ぶクルマ「eVTOL」の開発製造に携わる。

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