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違いを受け入れながら自分らしく生きる場所 -袴田 順也-

2023.01.04

配信

東京勤務から思いがけない辞令でベイエリアにくることになった袴田順也さん。休日にはハーレーダビッドソンに乗ってカリフォルニアの大地を駆け巡るという袴田さんに、ベイエリアの暮らしについて聞いた。

 

ベイエリアに住むことになったきっかけと最初の印象


会社の海外駐在員として2011年に渡米したのが初めてでした。それまでは10年近く東京にある営業所で働いていたのと、英語は学生の頃から大の苦手だったので、まさか自分が海外で仕事をすることになるなんてまさに青天のへきれきでした。その後、会社の事業方針と私の役割が変わったことで15年に本帰国したのですが、17年に2度目の海外駐在を命じられ再び同じベイエリアにやってまいりました。

 ベイエリアの最初の印象と今の印象は?  


今思うと、渡米当初は視野が本当に狭く目の前のことでいっぱいいっぱいになっていたので、仕事ばかりで思い切った休暇も取らず、帯同していた家族にはつらい思いをさせてしまっていたと思います。ということで、私にとってベイエリアは表面的なガイドブックに書かれているようなテックの街という印象しかありませんでした。数年前に離婚してしまったのですが、再び赴任してきてからは公私共にさまざまな方とのネットワークを通じてそこでの人間模様や生きざま、新しいアイデアやテクノロジーが生み出されていく様子を肌で感じられるようになり、水面化での地殻変動が大きな世の中を動かす原動力になっている場所だと思うようになってきました。

 あなたにとって、どんな場所ですか?  


日本での私は周りと自分を比べてしまったり、周囲に迎合しようとして溶け込めずに居場所を探すのが難しいと感じたりしていたのですが、ここは多種多様な文化や生き方、違いを受け入れながら自分らしく生きていける場所だと思っています。ただ、このところの物価高で生活費が圧迫されてきているのが気掛かりです。

 自分の専門分野は?  


ハードウエア分野です。電子機器に使われる部品には一定以上の知識があります。大学を卒業して今はなき三洋電機の電子部品事業部に入り、つい数カ月前までパナソニックのデバイスソリューション事業部の海外駐在員として一貫して電子部品のプロダクトマネージャーを担当してきました。最近、縁に恵まれ、車載産業向け高精度センサーを開発するスタートアップでのポジションを頂くことができ、この10月に米国企業に転職、「Advanced Component Engineer」として新たなキャリアをスタートしたところです。

 その道に進むことになったきっかけは?  


幼少期に自宅で壊れたラジカセや電話機を修理して母親に褒められたことがきっかけで電子工作が趣味になりました。理系科目に強くなったこともあり大学では電子工学を専攻し、電気回路や通信技術、パワーエレクトロニクスを学びました。今でも当時の担当教授や先輩とも親交があり、帰国する際は最新のエレクトロニクス技術について情報交換をするのが楽しみになっています。

 英語を使って仕事をするということについて思うことは?  


英語を使って仕事をするということは新たな世界観、価値観に触れられる大変貴重な機会だと思っています。口から発せられて耳に入ってくる言語でありながら、英語は日本語以上に言葉の裏にある背景構造の奥深さがあります。視野が広がるので普段見えない月面の裏側が見えたような気持ちになります。

 英語での成功体験、失敗体験があれば教えてください。  


英語は大の苦手な科目だっただけに成功体験がありません。つい先日、空港のセキュリティーチェックポイントで係員に”Don’t you have anything in your pocket?”と尋ねられて”Yes! Yes!”と連呼していました。今でも毎日どうしてこんなことを言ってしまったのだろうとか、あの時言われたのはこういう意味だったのではないかと振り返り、反省する日々です。

 あなたにとって仕事とは?  


人が最期を迎えるという目的に向かって歩いていくことに例えると、仕事は「靴」のようなものだと考えています。靴がなければ歩いて行けませんし、険しい山も越えて行けないですから、目的地にたどり着いた時に得られる感動や達成感が対価として得られるお給料なのかなと思っています。

 もし、今の仕事に就いていなかったら、どんなことをやっていたと思いますか? 


小中学生の時にエレクトーンを習っていて、その後エレキギターやドラムにも手を出すほど音楽が好きだったので(今でもヘビメタが私の癒やしの音楽です)、音楽関係の仕事、特に音響工学に関わる仕事に就いていたと思います。

 休日はどんなふうに過ごしていますか?  


大半は趣味のハーレーダビッドソンでツーリングに出かけています。日本人バイク仲間にも恵まれて一緒に時間を過ごすこともありますが、ソロで楽しむことも多々あります。一緒にツーリング行っていただける方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。



 ベイエリア、および近郊で好きな場所はどこですか?  


シリコンバレーが一望できるSkyline Blvd.(サラトガ〜Alice’s Restaurant)、Mt. UmunhumやHighway 1が好きです。



 最近日本に戻ったときに思ったこと、考えたこと、感じたことは?  


やっぱりご飯がおいしい。地元の浜松餃子やウナギは私の体をリセットしてくれます。

 現在のベイエリア生活で、不便を感じる時は?  


シリコンバレーと呼ばれている割に、インターネットなどの公共通信環境が悪いと感じています。夏の停電や、ビデオ会議中に時折通信が途絶えることに不便を感じています。

 日本に郷愁を感じる時は?  


山奥のコケが生い茂っている神社で感じるような、凛(りん)とした雰囲気に郷愁を感じます。

 5年後の自分に期待することは?  


常に探究心を忘れず、新たな趣味を身に付けていることを期待しています。

 座右の書は?  


松下幸之助の『実践経営哲学』。

 最近読んで印象に残っている本は?  


『プロダクトマネジメントのすべて』。シリコンバレーにいらっしゃる現役エンジニアの方が著作されたもので、普段なんとなく感じていたことに、そういえば!そうだよね!と気付きを与えていただける一冊です。

 これまで見た中で影響を受けた、または印象に残っている映画は?  


ジブリの『紅の豚』です。日本語では「飛べない豚はただの豚」というせりふが有名ですが、ナンバーワンでなくてもオンリーワンには憧れます。

 座右の銘は?  


「切磋琢磨(せっさたくま)」です。小学生の時、教室の黒板の上にスローガンとして掲げられていたこの言葉が、今でも自身の励みになっています。

プロフィール

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Junya Hakamata

Advanced Component Engineer at AEye, Inc.。静岡県浜松市出身、学生時代を熊本県で過ごした後、電気電子機器メーカーに就職。電子部品の技術職として長らくの東京勤務から思いがけない辞令により2011年にベイエリアへ赴任、15年に一度本帰国となるも17年に再びベイエリアへ。駐在員として勤務の後、22年10月に米国スタートアップ企業へ転職。電子部品のプロフェッショナルとして製品開発に従事している。趣味はハーレーダビッドソン。休日はカリフォルニアの大地を駆け巡る。

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