サンノゼで子育てをする中で、子供たちに安全でおいしいものをとお菓子を手作りし始めたというリー英子さん。その特技を生かして、今年1月に「Mamma’s Happy Tart」を創業した。リーさんにベイエリアでの暮らしについて聞いた。
ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年は?
2010年にサンディエゴの日系幼稚園で働くことになり渡米しました。そこで夫と出会い結婚。夫の転職で2013年にサンノゼに引っ越してきました。
ベイエリア最初の印象と今の印象は?
最初に来た時はサンディエゴと比べて車の運転がひどい、怖いと思いましたね。あと有名企業が身近にあり、これがうわさのシリコンバレーか、私とは縁遠い、何かすごい所に来たな、非日常な生活が始まったなという感覚でした。
自分の専門分野は?
児童教育学を専攻しました。カナダ留学では児童英語教師の資格を取りました。中学生の頃からお菓子作りを始め、子育てする中でおやつを手作りすることが増え、いつかお仕事にできればいいなと思い、コロナ禍にオンライン講座を受けたりしました。
その道に進むことになったきっかけは?
自分の作ったお菓子を「おいしいー」と笑顔で食べくれる子供たちを見るのがうれしくて、作るのがもっと楽しくなりました。好きなことを仕事にしたい! 好きなことしか仕事にしたくないと考えて、とにかくやってみようと「Mamma’s Happy Tart」を創業しました。
英語を使って仕事をするということについて思うことは?
自分の伝えたいことが100%伝わった? と不安になることもあります。この先自分のタルトを売っていくにあたって、自分の伝えたいニュアンスが先方にしっかり伝わるようにタルトの新商品開発と共に英語ももっと勉強していかないといけないと思っています。
英語での成功体験、失敗体験があれば教えてください。
渡米してまだ数カ月の頃、スーパーのレジで「Do you want cash back?」と聞かれ、いつの間にかポイントが貯まってて、それが現金でもらえるのか! と思い「Yes, please!」と答えたら「How much?」と返ってきて、「好きなだけもらえるの?」と思いました。まさかレジで自分の銀行口座からお金を出しくれるなんて知らず、あとで大笑いしました。
あなたにとって仕事とは?
もちろん生活のためではありますが、好きなことに没頭できる時間です。お祝いごとで注文してくださるお客さまが多いので、作りながらこの方はどんなスタイルがお好きかな? 何が喜んでいただけるかな? と想像を膨らませる楽しい作業です。家族だんらんの一つのアイテムとして自分のタルトを選んでいただけるのが本当に光栄でうれしい時間です。
子供の頃に就きたいと思っていた職業、理由も教えてください。
保育士とピアノの先生です。大好きだった保育園の先生への憧れが強かったです。ピアノは幼い頃から習わせてもらっていて弾くのが好きだったから。
もし今の仕事に就いていなかったら、どんなことをやっていたと思いますか?
仕事を持たなかったら、自分の時間にネットフリックスで韓ドラを見まくる主婦か、仕事に就くならやっぱり保育の仕事をしていたと思います。
現在、どんなおうちに住んでいますか?
サンタクララの2ベッドルーム、2バスルームのアパートです。
休日はどんなふうに過ごしていますか?
子供たちが行きたい所で、グレートアメリカ、動物園、ミュージアムに行くことが多いです。月に1度は「今日ママ1日お休み!」宣言をして家事は一切せずネットフリックスを見たり、お昼寝したり1日中好きなことをさせてもらいます。

ベイエリア、および近郊で好きな場所はどこですか?
サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ、サウサリートの雰囲気が好きです。キアヌ・リーブス主演の『スウィート・ノベンバー』を見てケーブルカーに乗りたかったので、初めて乗った時には映画の世界に入り込みました。
お気に入りのレストランは?
パロアルトにある「Teleferic Barcelona」です。
よく利用する日本食レストランはどこですか?
「Sumiya Yakitori」「Udon Mugizo」「Kura」「Ippudo」です。
もし宝くじで100万ドル当たったとしたら、その使い道は?
一軒家を買いたい! けど全然足りないので、行きたい所に全部行ってパーッと使い切ってみたい!
日本に戻る頻度は?
1年に1度帰っていましたが、もう4年帰れていません。来年は帰りたいです。
最近日本に戻った時に思ったこと、考えたこと、感じたことは?
最後に帰ったのは4年前なので今は値段が上がってるでしょうが、やはり食料が安い! 買い物してお会計で毎回、安い! と言ってましたね。
日本へのお土産は何を持っていきますか?
「Bath & Body Works」のカーフレグランス。オーガニックのドライフルーツやナッツ類。あとは「Trader Joe’s」のお菓子です。
日本からベイエリアに持って帰ってくるものは?
子供たちの日本の下着。日本の物は薄手でよく汗を吸ってくれるので、必ず購入します。おせんべいや抹茶系のお菓子も!
現在のベイエリア生活で、不便を感じる時は?
やはり病院です。専門医へ行くと分からない医療英語がポンポン出てきてドクターに聞き返したり、翻訳アプリを使ったりと、すんなりいかず疲れます。
現在のベイエリア生活で不安に感じることは?
不動産、医療費が高いことです。
日本に郷愁を感じる時は?
年末年始はやっぱり日本が恋しくなります。家族そろって見ていた紅白歌合戦や、みんなで食べるお節、お雑煮が恋しすぎます。
永住したい都市は?
サンデイエゴですかね。渡米して初めて一人暮らしした思い出の地なので。
5年後の自分に期待することは?
「タルトといえば『Mamma`s Happy Tart』でしょ」と言われるくらいになりたいです。

自分を動物に例えると? なぜ?
コアラですかね? 普段おっとりスローな生活をしているけど、いざとなるとコアラのように実は走れるんや⁈ と周りを驚かせるところかな。
座右の銘は?
「やりたいと思うことは何でもやってみる!」。父に幼い頃からよく言われていた言葉です。また、「願えばかなう!」は大切な友人が言ってくれた言葉です。この二つの言葉があったから困難だった海外就職も諦めずに渡米できました。
プロフィール
リー 英子
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Hideko Lee
大阪府出身。日本で8年間保育士として働いた後、海外の幼稚園で働きたいという思いからカナダに語学留学。ワーキングホリデー経て帰国後、2010年にサンディエゴの日系幼稚園で働くため渡米。その後、結婚を機に退職。子育てする中で子供たちに安全でおいしい物を食べさせたいと考え、おやつを手作りするようになる。2022年1月に「Mamma’s Happy Tart」を創業。オーガニック食材使用のタルトを販売。12月4日(日)午11時から午後4時まで、キャンベル(241 E. Campbell Ave)でポップアップを予定。Instagram@mammashappytart