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追求して世界を広げる姿勢に刺激 -加藤 ふみ-

2022.11.09

配信

夫の転職に伴いベイエリアに移住してきた加藤ふみさん。当地で日本語教育に携わる加藤さんに、ベイエリアでの生活について聞きました。

 

ベイエリアに住むことになった きっかけ

 2013年に主人の転職に伴い移住してきました。主人とは大学時代に出会い、当時から「海外で仕事がしたい」と言われていたので、驚きはありませんでした。ですが、アメリカ行きが決まったのが、末娘が生まれて3日目のことだったので、それはさすがに驚きました。

 ベイエリア最初の印象と今の印象は?  


のっぺりとした茶色い枯れ草の山に衝撃を受けました。緑豊かな日本が好きだったので、はたしてこの景色を好きになれるかなぁと不安になったのを覚えています。今では雨季と乾季のはっきりしたここの気候も好きです。

 あなたにとって、どんな場所ですか?  


気候が良くて、心身共に過ごしやすい場所です。ベイエリアの青空には、元気が出ますね。夏の過ごしやすさ、冬の温暖さは「天気痛」持ちの私にとっては恵まれた場所です。人生の楽しみ方をよく知っている人が多いベイエリア。遊び方一つ取っても、とことん追求して世界を広げていく姿に刺激を受けっ放しです。

自分の専門分野は?  


日本語を母語としない人々への日本語教育が専門です。日本にいた時は就学生(大学受験を控えている学生)のクラスや、海外から研修に来ている社会人に日本語を教えていました。渡米してからは、友人たちと一緒に未就園児対象のサークル活動「おうち幼稚園」を運営。その時に、アメリカに住む日本人の子供にも日本語教育の需要があることを知り、バイリンガルの子供の言語習得について学び直しました。日本にいたころは全く考えたこともない分野だったので新鮮でしたし、わが子がバイリンガルとして育っていく過程を試行錯誤しながらサポートし、言語の発達を間近で観察できたことは仕事柄貴重な体験となりました。そしてそれらの経験が今のわかば学園や、作文教室のお仕事につながっています。



 その道に進むことになったきっかけは?  


大学在学中は途上国の地域開発に興味があり、活動をしていました。卒業後は南インドにあるNGOのインターンになるつもりでいたのですが、卒業前に今の主人と出会い、結婚を考えるように。そこで、海外移住希望だった彼について行ってもできる仕事、もし結婚しなかった時も青年海外協力隊や研修生への語学指導を通して国際協力の仕事ができるようにと、日本語教師の資格を考えたのがきっかけです。大学卒業後に主人に養ってもらいつつ、アルバイトをしながら専門学校に通い資格を取得。日本語学校に就職が決まったところで、結婚しました。

 英語を使って仕事をするということについて思うことは?  


日本語の表現や文法は、単純に英語で表せないことも多いので、英語に頼ることがあまりありません。日本語を学びたい生徒さんとのやりとりなので、英語を使うよりも、いかに分かりやすく無駄のない日本語を使うかに気を使っています。



 あなたにとって仕事とは?  


人と話すのが好き、日本語という言語を分析・分解することが面白い、読み書きが好き、そんな私にとっては、「好き」の延長線上にある仕事です。しかも、最近日本語を学ぶ生徒さんの多くが、日本のアニメや漫画、ドラマのファンなんです。私もかなりオタク寄りな方なので、生徒さんと共通の話題で盛り上がれるのはたまらないですね。趣味が仕事に役立つなんてラッキーです。子供たちに向けての教室では、これまでどっぷりと楽しんでいた我が子の子育てを通して培った経験を生かせることがうれしいです。

 子供の頃に就きたいと思っていた職業、理由も教えてください。  


宝石屋さんとアナウンサー。大人になった今も、高価な宝石こそ買えませんが、鉱石好きで収集してみたり、子供と鉱石を磨いたりして楽しんでいます。話すのが好きで憧れていたアナウンサーも、形は違えど正しい日本語を扱い人に伝えるという点で、結局私は好きなことにたどりついたのかなという気がしています。

 もし、今の仕事に就いていなかったら、どんなことをやっていたと思いますか?  


結婚していなかったら、学生時代の夢を追って、海外で村落開発や学校運営に携わっていたかな。あとは、編み物が好きで、編み物で食べていこうとした時期もありました。ニットカフェの経営とか、編み物教室をやっていたと思います。

休日はどんなふうに過ごしていますか?  


家族や友人と、キャンプをしたりバーベキューをしたり。何もせずに一日中本や漫画を読む休日も好きです。

 ベイエリア、および近郊で好きな場所はどこですか?  


山です。すぐに行ける場所に、豊かな自然があるのがいいですね。レッドウッドの森には癒やされます。

 最近日本に戻ったときに思ったこと、考えたこと、感じたことは?  


コロナ禍で帰国が難しかった間に、祖母と伯父を亡くしてつらい思いをしました。この夏3年ぶりに帰国して、もうすぐ白寿を迎える祖父に会うことができたのもつかの間、私たちがアメリカに戻ってすぐ祖父も亡くなりました。大切だった家族の最期に立ち会えなかったことや、お葬式にも簡単には出られなかったことに、やはり距離を感じます。それでも、たまにしか会えないからこそ、毎回の別れの時に「これが最後かもしれない」という気持ちで心を込めた丁寧なお別れをしてきたので、祖父母に伝え残したことは何もありません。良くも悪くも、距離があるからこそだなと感じました。

 現在のベイエリア生活で、不便を感じる時は?  


あまりありません。不便さも慣れると気楽でいいです。

 現在のベイエリア生活で不安に感じることは?  


家賃の高さと、医療費の高さ。

 日本に郷愁を感じる時は?  


長かった乾季が終わって雨季が始まり、湿っぽい雨のにおいがする時です。どうしようもなく日本が懐かしくなることがあります。

 永住したい都市は?  


住めるならどこでも!



 5年後の自分に期待することは?  


健康に笑っていられたらそれで十分です。

 座右の書は?  


『我利馬の船出』(灰谷健次郎著)です。高校生の頃に初めて読んで以来、何度も再読しています。

 最近読んで印象に残っている本は?  


『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!』(さかなクン著)と『秘密の花園』(フランシス・ホジソン・バーネット著)です。どちらも子供向けなんですが、子供を見守る大人たちの姿、子供が自然に関わることで伸びていく力に感銘を受けました。

 最近見て印象に残っている映画は?  


子供に付き合って『One Piece Film Red』を見て、20年ぶりくらいにワンピース熱が復活しています。  

 座右の銘は?  


偏らない、こだわらない、とらわれない。

プロフィール

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Fumi Kato

サンノゼ日本語学校わかば学園教員、日本語教師。愛知県生まれ。大学卒業後日本語教師養成学校を経て、日本語教師認定試験に合格。東京の日本語学校で勤務し、退職後は3児の子育てに専念。2013年に渡米。現在はわかば学園の教員。また、オンラインの日本語教室、作文教室を運営。

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