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テクノベート時代の世界一のビジネススクールを目指す

2022.08.17

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創業から30年、スタートアップとして始まり、日本、アジアに展開するビジネススクール「グロービス」。昨年、アメリカ初の拠点としてサンフランシスコにオフィスを開設。今年6月に代表の堀義人氏が同地を訪れ、米国での事業展開について講演を行った。


創業30年を迎え テクノベート時代の世界一のビジネススクールを目指す

グロービス開校のきっかけ

 

 大学を卒業後、入社した商社にハーバード・ビジネス・スクールのMBAプログラムへの派遣制度がありました。チャンスだと思い応募し合格しました。留学中に僕自身、ものすごく能力が上がったと自覚しました。ラッキーだと感じ、僕だけでなく、日本にいる方にもこのような素晴らしい教育機会を提供したいと思ったのが、グロービスを開校した最初のきっかけです。「ヒト」「カネ」「チエ」という円を書いて、ビジネススクール、ベンチャーキャピタル、出版(知の発信として)をやっていこうと考えました。このビジョンこそ、グロービスの原点です。

 その後、オンライン授業も始めました  


東京で開講した際、大阪から通う人がいて、ならばと大阪キャンパスを作ったら、今度は名古屋から来る人がいて、名古屋にもキャンパスを出した。そしてニュージランドからも問い合わせがきました。近くに教室がない人に対し不公平だと思い、通信教育を1996、7年頃に開始し、その後、オンライン化を進めました。オンラインとはいえ当時は動画ではなく、オンラインで記入できるシステム。その後、ブロードバンドや 「Webex」が出てきて、それを使ったクラスを始めました。キャンパスがないところでも公平に学ぶ機会を提供しようというのがきっかけです。当初は地方在住の受講者が多いと思っていたのですが、東京や大阪の方もたくさんいらっしゃいました。子供がいる、出張が多いといった、なかなかキャンパスには通えない方たちが、学びやすい環境のオンライン受講を選んだ。新しい需要を開拓したと思っています。



 昨年、アメリカに進出しました。なぜサンフランシスコだったのでしょうか  


コロナ禍で社会のオンライン、デジタル化が急激に進み、これはうかうかしていられないと。ビジネススクールの本場であるアメリカで挑戦したい、世界で一番になるという思いに火がつきました。あとは、「グロービス・キャピタル・パートナーズ」というベンチャーキャピタルを当社は持っております。その部分も大きいですね。投資先企業の支援を行う必要があるということも進出の背景の一つです。  

あとはやっぱり日本から近いということもありますね。利便性も重要です。ニューヨークだと、さらに6時間プラスでかかってしまうでしょう。

 コロナ禍による影響はどうだったでしょうか  


新しい時代の教育はどうあるべきか、どう変わっていくかを長年想像していました。オンラインMBAやサブスク型のサービス(グロービス学び放題、英語名は「GLOBIS Unlimited」)を早い段階でスタートしましたが、世のオンライン化の進み具合は想像以上に遅かった。それが、コロナ禍で急激に変化しました。コロナ禍前の2019年のオンラインMBA受講者は100人以下でしたが、2020年は一挙に400人規模になりました。10〜20年かかると思っていたのが、あっという間にオンラインが中心に。スマホで学ぶサービス(「グロービス学び放題」のアプリ)も倍増。コロナ禍では教育手法の変化を目の当たりにしました。

 ビジネススクールの本場・アメリカでどのように勝負していくのか  


サンフランシスコ、シリコンバレーといえば、スタンフォードやバークレーなどMBAスクールでも有名な場所。グロービスの五つの特徴(高満足、実践的、創造と変革、志士、テクノベート)を生かし、受講者に満足していただき、また参加したいと思うサービスを作っていきます。サブスクリプション方式の授業(同社の「nanoMBA」のような)は、まだどこもやっていないと思います。他のMBAスクールの弱い部分と戦うことで、勝機は見えてくると思います。また、他校にはない、ベンチャーキャピタル事業と大学院の融合という部分が、グロービスのユニークさになるのではないでしょうか。最前線での情報や生きたビジネス戦略でのフィードバックも随時生徒に提供できます。

 アメリカにオフィスを開いて半年ほど経ちましたが、これまでを振り返ってみていかがでしょうか。  


今はここに入ってみて様子を見ている状況というのが現状。MBAプログラムは反応が良いと聞いていますが、先ほど述べた、「GLOBIS Unlimited」「nanoMBA」で勝負しようと思っています。現在、英語でのコンテンツの準備をしていて、今冬から積極的にやっていきたいと思っています。 グロービスがサンフランシスコに来て、一歩一歩確実に、受講者が満足していただくことにフォーカスしながら進めていきたいと思います。日本のスタートアップで、アメリカで成功しているところはあまりないですよね。スマニューさん(SmartNews)が頑張っているくらいでしょうか。そういうチャレンジを果敢にしていきたい。世界一を目指したいです。

 世界一になるためには?  


地道な満足度の向上、コンテンツの良さ、使い勝手。グロービスの戦い方は、学びやすさです。考えてみてください、大学院は学びにくいですよね、願書提出など準備も含めて。要は、ユーザーフレンドリーじゃないんですね。グロービスは、一科目から学べますし、どこでもいつでも学べます。要するにコンビニエンス。満足度の高いコンテンツを提供することも強みです。ユーザーが投資対効果も考えて、自分の実感値として満足してもらえれば、継続してもらえます。結果、人生が開けていくという受講者がたくさんいます。ネットワークもできる。これらが、グロービスのプラットフォームを使ってできます。  ハーバードとかスタンフォード、早稲田、慶応と戦っていくとブランド力では勝負にならない。クオリティーがよっぽど高くないと戦えないのです。他の大学は気にしないでもブランド力でなんとかなるんでしょう。うちはブランド力がないので、クオリティーを高くして勝負していく。大学の学びって、結構つまらないでしょう? 教授が一方的だったり、休校になったら「やったー!」ってなります。うちの場合は、1クラスずつ受講ができるから、つまらなかったらそこで終わってしまう。満足いただけない場合は返金もします。でも、実際には続けていただく人が多いというのは、満足されている人が多いということです。

 アメリカでも「サービス保証」を?  


グロービスの特徴の一つは、「サービス保証」です。クラス受講後、不満があった場合、授業料を全額返金します。もちろん、ちゃんとクラスを受けてもらってからになりますが、1クラス12万円くらいです。企業研修では100万円とか1000万円ほどしますが、それも返金します。それだけグロービスは組織的に品質・満足度にコミットしていきます。担当者がしっかりとニーズを聞き、準備していきます。これがあるおかげで、グロービスは伸びてきたんです。

 サンフランシスコ・シリコンバレーに住んでいる日本人の方々へ  


30周年を迎えて、グロービスがアメリカに参入します。ベンチャーキャピタルを含めて、世界ナンバーワンを目指して、コミットしてやっていきたいので、ご支援よろしくお願いいたします。

問い合わせは、GLOBIS USA 
【ウェブサイト】Globisusa.com

プロフィール

/

Yoshihito Hori

グロービス経営大学院 学長

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