本当に求められる美味しい日本酒を　-米国月桂冠-

2023.09.13

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秋グルメ特集 2023

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本当に求められる美味しい日本酒を

アメリカにおける日本酒市場

当社の米国工場では年間約500万本（1本750ml換算）を生産しています。長期にわたり清酒市場は安定的に伸びていて、コロナ禍の2020年は落ち込みがありましたが、その後はリバウンドしています。今年の米国のアルコール市場全体は、物価上昇やインフレなどにより伸び悩んでいますが、それでも清酒はワインやスピリッツに比べるとよく売れていますので、特に心配はしていません。

現在の日本酒トレンド　

近年の清酒市場の成長と共に、お客様の清酒に関する知識とこだわりの高まりを感じますね。どのお酒でもよかった時代はすでに終わっていて、高級なお酒を求めるソムリエやワイン通のプロが活躍した時代とも違っているように感じます。若い世代を中心に、お酒が日本食の一部としてとらえられ、日本食は日本文化の代表だと考えられています。日本文化全体が注目されている現在は、ジャパニーズ○○という名称だけで注目され、売れる時代となっているように思います。　

そのような中、私は個性的で、カッコイイ、おしゃれなお酒が求められていると感じています。具体的には繊細で高級な純米大吟醸より、香りと味のバランスがとれた純米吟醸酒が多くなっていると思います。また、製造工程にこだわったお酒、原酒、無濾過、生酒なども清酒ファンから求められていると思います。

海外の方に伝えるべき「日本酒の魅力」　

私はこれまで11年間京都に住み、日本酒の安さと選択の数に圧倒され飲み始めました。月桂冠に入社後、自分がこのお酒をしっかり理解できないと絶対うまく売れないと思い、WSET Sake Level 3と国際唎酒師の資格を取得し、テイスティングや評価の仕方も学びました。しかし、一般的な海外の方はまだ清酒のことを詳しく知りません。最先端のトレンドを発信するだけでなく、お客様に合わせて美味しいお酒を提供することが何よりも重要と考えています。

また、当社の工場がカリフォルニアにあることもあまり知られていないようです。まずはローカルエリアでの知名度を向上させ、いずれは一般的な消費者が本当に飲みたい商品を把握して開発していきたいと思っています。　

私は日本人でもなく、アメリカ人でもありません。なので、どちらの立場も理解し、お互いのニーズを把握した上で架け橋のような者になれたらうれしいです。