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柳家東三楼の「Break a leg 落語の時間ですよ」Vol.4

2021.06.21

配信

栴檀は双葉より芳し

サンフランシスコ日本語補習校に「ざぶとん亭天助」君という可愛いお弟子さんがいます。彼はもうすぐ補習校では中学生、現地校では7年生です。天助君は僕のお稽古のクラスに入る前から落語が好きで、幾つも噺を覚えていました。控えめに言って天助君は非常に才能と熱意のあるお弟子さんで将来が非常に楽しみです。というのも、彼の落語がとても上手(クラスの中でも頭3つくらい抜けています)面白いというのもありますが、僕が課題として扱う小噺や演目を自分なりにシチュエーションを工夫したり、人物、あるいは動物がどういう個人かを考えてセリフを作り、自分の世界を創って演じていて、この姿勢はプロの僕達も見習わなければいけない大事なことだからです。


ある小噺は吉本新喜劇風に、ある演目は関西弁に直し、オリジナルのギャグを入れる。先日、目を見張ったのが、桂枝雀師匠が昔演じた珍しい新作落語を、動画が無く音声しか残っていない状況で、自分で仕草を考えて発表しました。僕が教えてその通りに演じるだけでも小学生にとってはとても難しいのに、天助君は自分で演目を決め、演出をして、何日も夜を徹して稽古して堂々と発表する。これは落語に限らず勉強でも趣味でも非常に大事な姿勢に思えます。

特に芸の世界はしっかりとした基礎の上に独自の世界を作るのが必要です。これは学問や研究の世界でも同じでしょう。彼に将来の期待を寄せるのは、プロの噺家になって欲しいという事ではなく、今の取り組みの姿勢を自分の決めた世界でも続けていくと、将来大物になるぞと期待するからです。そして末長く、落語を楽しく演じたり、支えたりしてもらいたい。

アメリカのお稽古のクラスは4歳から中学生まで幅が広いですが、小さな子もお兄さんお姉さんに引っ張られて進度が早いです。僕は数年後、天助君に抜かされたりして、そうしたら逆に僕が演じた事のない噺を教わるかもしれません。


日本では落語界は縦社会ですが、僕はアメリカで横の繋がりでお弟子さんを作って自由な世界観の落語が広がっていくのが楽しみです。サンフランシスコのベイエリアで落語会をする時は彼に前座をしてもらいたい。早くその日が来ますように。




柳家東三楼(やなぎやとうざぶろう) 落語家歴23年。真打として日本全国で落語を披露する中で世界中の人に落語を知ってもらいたいと、2019年よりアメリカへ移住。現在はNYのブルックリンを拠点にアメリカにてすでに200回以上の公演を行う。50州すべての州にて落語公演を実施することを目標に、日々精力的に活動中。

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