Vol.10 トレーナーは運動翻訳士！

　みなさん、こんにちは！ 一気に暑くなり水分、栄養補給に気をつけないと体調を崩しやすい季節になってきました。自分の仕事柄、運動や食事が生活を楽しむためにどれだけ大事かを、多くの人に理解していただけたらと思う一方で、幸せになる方法はたくさんある！ と信じているので、自分の行っているトレーニングの方法論にあえて意地悪な質問を投げかけることで、より良いものを考え出せたらと思ったりしています。例えば、筋肉ムキムキにならず（筋量を増やさず）に力強い体づくり（筋力を上げる）をしたいというものです。（これに関しては過去のコラムでお話ししています！）みなさんが思っている運動や栄養のイメージを共有した上で、すり合わせを行っていくことが自分の仕事の大きな部分を占めています。

　先日もワークアウトをしていた際に、生徒さんが長袖、長ズボンを着ていたので、「暑くないですか？」と聞いてみたところ、「汗をたくさんかいて、運動の効果を上げたい。」とのことでした。実は、体温の上昇を防げる方が体のパフォーマンスが上がるので、運動の効率は高くなります。みなさんもスポーツ飲料の広告などで見たことはないでしょうか？ ここで重要なのは、なぜ「汗＝いい運動」と生徒さんが思っていたのかを紐解くということでした。この場合、「体から水分が出ることが脂肪が燃えているサインのような気がする」というものだったので、具体的に脂肪が燃えるメカニズムを説明した上で、その日のワークアウトがどのような仕組みで脂肪燃焼に結びつくかを納得してもらいました。

　専門性を高めることと一般的な方の生活に寄り添うことは、時に逆方向に向かってしまうこともあり、油断していると自分の独りよがりになりそうな時もあります。新しいものにチャレンジすることも、考え方次第では過去の自分の生活を否定しないといけないので、気持ちのハードルも高くなります。難しい理論で煙に巻いたり、誤った知識を助長しないように生活をサポートできるトレーナーでいたいと思います！

立林 宏太（たてばやし・こうた）
神奈川県藤沢市出身。2013年、一橋大学を中退し、カリフォルニアに留学。ここで通い始めたジムで、フィットネスや栄養学で人々の生活をできることに感銘を受け、トレーナーの道へと進む。NASM（National Academy of Sports Medicine）認定パーソナルトレーナー。PN（Precision Nutrition） Level. 1 栄養コーチ。インスタグラム@nintaijuku_fitness、個人アカウントは@kota_tatebayashi
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