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2022.04.20

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北米スマートシティ会議での最新動向 

 4月4日から7日まで、オハイオ州コロンバスで開催されたスマートシティ・コネクト会議・エキスポでの最新動向をいくつか紹介したいと思います。本会議・エキスポでは、北米の各地域の都市開発の担当者やリーダーが、その都市の課題や方針を共有、紹介すると共に、スマートシティの実現に向けた各企業の最新の製品、技術の展示紹介、また各都市の担当者に向けたスタートアップ企業のピッチや展示会もあり、なかなかホットなやりとりのある場となっていました。今回は各企業の最新の技術や動向、また目を引いたスタートアップ企業のいくつかを紹介します。

 スマートシティとは?  

ご存知の方も多いとは思いますが、まずは「スマートシティとは何か」について、少々ひも解きましょう。  

内閣府のホームページ(*1)によれば、「ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域…」とあり、簡単にいうと、「豊かな都市生活の実現」というところでしょうか。


新しい技術動向  

ここからは、同エキスポで紹介、展示された主な領域、また私が気になった新しい製品についていくつか紹介していきます。今エキスポでは

①都市のインフラ
②都市交通のスマート化
③環境モニタリング
④エネルギー関係
⑤防災
⑥公共サービスなどの多くの都市の課題に注目が集まっていました。

その中のいくつかを紹介します。
①都市のインフラ=安価な公共鉄道サービス
②都市交通のスマート化=交通渋滞解消、スマートパーキング、電気自動車充電での不法駐車管理
③環境モニタリング=自然災害の監視、二酸化炭素やエタンなどのガス検知システム、学校やオフィス、工場などでの空気品質管理
 ④エネルギー関係=今まで活用されていない塩水湖から塩水の淡水化と食塩への分離
⑤防災=盗難防止システム(窓の異常振動の検知や、モーションセンサーを使った盗難防止)、高度計を活用したビルの階層を検知する非常用通知システム
⑥公共サービス=障害者向けの歩道の解析と地図作成、洪水のハザード診断  興味深かった製品は左上の表で紹介しました。今後のスマートシティのさらなる進化に注目していきたいと思います。

(*1)www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/index.html

具体的な製品紹介

Swift Rails
都市のインフラ、安価な公共鉄道サービス、 新しいインフラの提案  
従来の公共鉄道よりもコンパクトかつ安価な将来の鉄道システムで、大学構内での実証試験を実施。従来の鉄道より街に特化してカスタマイズされた交通機関、サービスの提供とのことです。既存の道路の上層部(ビルの2階の高さ)をレールで結び、現在の道路と共存を図ります。移動時間の短縮(5倍速いトランジット)、総工費は従来の40分の1、1人から4人乗りの電気自動カプセル、車両はアプリを介して予約するなど。半自動運転。
【ウェブサイト】www.swiftrails.com GridMatrix 



↑Swift Railsの展示。カプセルがレールや一般道路では2階の高さを走る

都市交通のスマート化の一例 
交通事故検知の提案  2021年にアップルからスピンアウトした会社。
都市に設置されているセンサー、交通カメラ、LIDAR、レーダーなどのデータをリアルタイムで解析して、特に交通事故時のデータ解析から状況の認定、リスク回避のソリューション等を提案しています。また、都市計画の観点からは、車両以外のユーザー、特に歩行者などにとってリスクの高い領域を特定したり、輸送計画のシミュレーションに活用できるとのこと。特に、交通事故時のライブのデータ解析から状況の認定、リスク回避のソリューション等を提案しています。
【主なアプリケーション分野】スマートモビリティ:交通機関、自律型、公共交通機関、ライドシェア
【ウェブサイト】 www.gridmatrix.com DeepWalk

公共サービスの一例 
障害者向けの歩道の解析と地図作成  
イリノイ大学からスピンアウトしたスタートアップで、スマートフォンを使った3Dの歩道の地図作成システム。「DeepWalk」のスキャンアプリを使い、障害者向けの法律に準拠した歩道システムを自動的に検査し、連邦政府が要求する地図などを生成するというもの。カメラを通じて歩道の状況をチェックできるうえ、5分間という短時間で解析ができ、道路の傾斜等も0.2〜0.3%の精度でモデル化可能という優れものです。
【主な適用分野】都市/地方自治体の運営:公安、計画、緊急時対応、持続可能性
 【ウェブサイト】www.deepwalkresearch.com 


ジェトロ・サンフランシスコ ディレクター 冨田 裕司(とみた・ひろし)
米国シリコンバレーに駐在18年にわたり、日本企業のR&D会社の代表を務める。2017年5月日本貿易機構(JETRO)と国立情報学研究所(NII)の共同事務所・シリコンバレーオフィス設立に伴い、NIIオフィスRepresentative、JETORO/Directorに就任。熊本県出身。

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