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あなたの「今」が輝くために−其の百三十七

2024.02.28

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なぜ話す?

 先日、予約が取れないことで有名なお店に、友人たちと行ってきました。私自身数年ぶりの訪問で、コの字型のカウンターで向かいに座っていた人の中には、ここで食事をするためだけに東京から日帰りで来たという人も。実際ネットなどの書き込みには予約困難店と書かれていますが、私が住む京都以外にも、こういったお店は少なくありません。

 さて後日、この話を別の友人との何気ない会話でしたところ、急にかしこまって質問をされてしまいました。「流行っているお店と、流行っていないお店との違いって、何だと思う?」と。実は彼女の知り合いにお料理屋さんの女将さんがおられ、夫婦でお店をされているのですが経営が思わしくないそうです。そう言われても、私は飲食店の専門家ではありません。心の中では、わからへんわぁと思いながらも、一体、何が違うのだろう? と考え、大将がブレてるか、ブレてないかの違いじゃないかなぁと答えました。それを聞いた友人の表情が晴れやかになったのを見て、的外れでもなかったと思い言葉を続けました。

 お客さんの足が遠のくのは店に落ち度があったからではなく、同席する人の推しの店があるなど他の理由でたまたま行かなくなることの方が多い。自分を含め、そもそもお客というのはワガママで、日本酒の種類を増やせとか、日本酒だけでなくワインも置けとか好き勝手に言う。要望を聞くことも大事かもしれないけれど、すべてに応えることは出来ないし、お客さんたちに合わせていたらブレてしまう。だから、ウチはウチですと、どん! と構えていていいんじゃないかなと。すると彼女は大きく頷きながら、大将が正に迷走中で、お客さんに言われて最近ワインセラーを購入したとか。それを聞いて私は、でも一番大事なのは、なぜお店をやっているかだと思うと言いましたが、そんな自分の言葉にハッとさせられました。

 他人のことをアレコレ言いましたが、私はどうなんだと。講演会などで話す機会が多いですが、では私はなぜ話すのか? そこがハッキリしていないと、ただ表面的に言葉を発しているだけです。そんな話が果たして、人の心に届くのか。それは日々の生活でも同じです。なぜ〇〇をするのか? 立ち止まることで、気づかされることもあるのではないでしょうか。


写真:Noriko Shiota Slusser

英月(えいげつ) 真宗佛光寺派長谷山北之院大行寺住職。江戸時代から続く寺の長女として、京都に生まれる。同業者(僧侶)と見合いすること、35回。ストレスで一時的に聴力を失う。このままではイカン! と渡米。北米唯一の日本語ラジオ「サンフランシスコラジオ毎日」でパーソナリティーを勤める他、テレビ、ラジオCMに出演。帰国後、大行寺で始めた「写経の会」「法話会」に多くの参拝者が集まる。講演会、テレビ出演、執筆など活動は多岐にわたる。最新著書は『二河白道ものがたり いのちに目覚める』(春秋社) 。

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