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発熱時の誤った対処方法 -矢野文子先生(小児科医)

2023.10.04

配信

発熱時の誤った対処方法 

1. 発熱の時には布団をかぶせて汗をかかせる

 「熱が出たときには汗をかかせて熱を下げるといい」とよく聞きますが、これは大きな間違いです。特に小さいお子さんの場合は脱水に陥りやすくなったり、熱性痙攣を起こしやすくなったりします。

 熱がある時にはまず涼しい部屋に寝かせ、身体を冷やしてあげます。首、わきの下、鼠径(そけい)部などには大きな血管が通っているので冷やすと熱に有効ですが、嫌がるお子さんには無理にする必要はありません。そのかわり、厚い布団をかぶせない、薄着にするなどで対処しましょう。解熱剤は高熱時、または高熱でなくても辛そうであれば使いましょう。解熱剤が効いている間だけでも少しは快適に過ごすことができ、飲み食いがしやすくなるので体力低下や脱水が防げます。

 しかし、病初期には寒気がしたり身体が震えたりします。これは、悪寒戦慄といって病気に対する身体の防御反応であり、その後熱が上がります。寒気がする間は体を温めましょう。そして熱が上がり切ったら今度は冷やしてください。

 発熱で受診される時に、よく厚着をして顔を真っ赤にして来られることがあります。そういう時はとりあえずどんどん脱がせます。また、薬の影響が出ていない状態を診てほしい、と解熱剤を使わずに来られることがありますが、これも無駄なことです。


2. 発熱は病気と闘っている証拠なので無理に下げない

 これは正解なのですが、程度によります。高熱のため水分も摂れずに朦朧となってまで頑張る必要はありません。病気負けしないためにも解熱剤を適宜使って、少しでも楽に過ごしてもらいたいです。


3. かぜに抗生剤、総合感冒薬

 かぜの特効薬は存在しません。一昔前までは注射をしてくれ、抗生剤をくれ、という人がいましたが、さすがにそこまで非常識な人はいなくなりました。総合感冒薬も勧めません。不必要な薬が中途半端な量で入っていることが多いので、症状が多少和らぐかもしれませんが、いらない薬を身体に入れるだけでなく、必要な解熱剤の量が分からなくなります。お子さんが大好きなアンパンマン風邪薬などはできれば使わない方がいいですし、基本的に6歳以下のお子さんには風邪薬は無効です。


東邦大学医学部卒業。日米小児科学会会員。米小児科認定医。旧日本小児科学会認定医。東邦大学第二小児科学教室に所属して東邦大学付属大橋・大森病院や国立精神・神経センター武蔵病院勤務等を経て、ニューヨークのコロンビア大学医学部に研究留学のため渡米。数々の試験や研修の後、2003年にベイエリアに移住し日本ベイクリニックに小児科医として勤務。医学博士号取得。NY州とCA州の医師免許あり。 

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