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子供の誤飲による中毒 -矢野文子先生(小児科医)

2023.01.18

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子供の誤飲による中毒

 毎年アメリカで 300万件ほどの子供の中毒事故が報告されています。そのほとんどは5歳以下で、自宅で親がちょっと目を離した隙に起きています。よくあるのはタバコ(電子タバコを含む)や医薬品、洗剤などの家庭用品の誤飲が原因です。小さいお子さんは好奇心が旺盛で、はいはいやよちよち歩きで動き回れるようになると、家庭内のいろんな所を触り、手に取れるものが見つかると口に入れてしまいます。

 不幸にも事故が起きてしまったら、まず、何を飲んだか、何を吸ったか、中毒の原因物質を確認します。周囲の状況や散らばってる瓶や空き箱、残っている量から飲み込んだ量を判断することも重要なポイントです。そして、無症状でも下記の中毒センターに連絡して指示に従ってください。

Poison Control:(800) 222-1222 https://www.poison.org/ 

 24時間すぐに繋がりますし、オンラインでも対応してくれます。誤飲した内容や量、子どもの状態などに応じて、ERに行くべきか、様子を見ていいのか、何に気を付ければいいのか、など的確なアドバイスが無料でもらえます。

 ただし、ボタン電池を飲み込んでしまった場合は、できるだけ早くERに連れて行きましょう。内視鏡ですぐに取り出さないと消化管粘膜に傷をつけてしまいます。1歳以上のお子さんならERに行くまでに小さじ2杯ほど(10ml)のハチミツを10分おきに与えて下さい。

 中毒事故を防ぐための注意事項

1. タバコの後始末はきちんと。電子タバコも子供の手の届くところには置かない。
2. お菓子の空き缶や箱に薬を入れない。
3. 食品を入れる器や瓶を他の目的に使わない。
4. 掃除をする時には子供目線でソファーの下などに落ちているものがないかどうかを確認。
5. 家庭用品や医薬品などは必ずチャイルドプルーフの蓋のついたものを使用し、さらに鍵のかかるキャビネットや子供の目の届かない場所に保管。
6. タイレノールでもひと瓶飲むと危険なので、子供の薬でも必ず量は守る事。
7. 洗濯用洗剤ポッドの誤飲が急増しているので小さいお子さんのいる家庭では使わない方が無難。

矢野文子(やの・あやこ)医師先生 
 東邦大学医学部卒業。日米小児科学会会員。米小児科認定医。旧日本小児科学会認定医。東邦大学第二小児科学教室に所属して東邦大学付属大橋・大森病院や国立精神・神経センター武蔵病院勤務等を経て、ニューヨークのコロンビア大学医学部に研究留学のため渡米。数々の試験や研修の後、2003年にベイエリアに移住し日本ベイクリニックに小児科医として勤務。医学博士号取得。NY州とCA州の医師免許あり。 

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