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オンライン vs 対面セラピー -寺尾先生-

2023.08.02

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オンライン vs 対面セラピー

 2020年にベイエリアを襲ったパンデミックの副産物の一つに、オンラインミーティングの浸透があげられます。パンデミックの開始直後に、学習や会議、カウンセリングや心理セラピーまでオンラインに移行しました。それ以前からも行われていたオンラインカウンセリングですが、今の浸透ぶりとは雲泥の差。パンデミック開始から3年以上たった今、筆者のクライアントは8割以上の方がオンラインを選んでいます。今回は、オンラインと対面のカウンセリングを比べてみます。

 オンラインカウンセリングの利点は、やはり便利さ。遠くに住んでいる人も、職場のランチ休憩にログインしたい人も、移動にかかる時間や場所を気にせずにカウンセリングを受けることができます。中には南カリフォルニアからログインする方も。カップルカウンセリングを受ける共働きの夫婦で、別々の職場から休憩時間を合わせてカウンセリングを受ける人も多いです。

 気になる効果ですが、いくつかの研究では、オンラインカウンセリングは対面カウンセリングと同等かそれ以上の効果が期待できるとの結果が出ています。移動にかかる時間やロケーションの問題で定期的にカウンセリングを受けられないよりも、オンラインで休むことなく受けた方が、一概に効果は高いでしょう。

 一方、対面カウンセリングの利点は、オンラインではわからない細かな顔の表情、動作、服装や行動を観察できることです。対面とオンラインでは印象がかなり違うということがあります。実際に会って初めて、ものすごく痩せていることがわかり、別の問題が見えてきたというクライアントもいます。また、一緒の空間にいる方が話しやすいと言ってオフィスに来る人もいます。または、引きこもりの症状や不安感が強い方には、オフィスに来ることを適当な頃合いに勧めています。実際に自分の家を出て、私のところに来る間のプロセスや時間などの行動自体が癒しにつながったり、コミュニケーションの練習になったりもします。


カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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