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IEPと504 Plan -寺尾先生

2023.04.20

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IEPと504 Plan

 カウンセリングをオンラインと対面式の両方で行なっていますが、そこでよく出るトピックの一つとして、心の問題があるお子さんへの学校でのサポートがあげられます。日本に比べて、何らかの障害を抱えている生徒の親は積極的にサポートを要求し、公立学校は必要な際にサポートを提供する義務があります。そこで今回は、便利でありつつもあまり知られていないIEPと504プランについてお話しします。

 IEPとはIndividualized Eduation Planの略で、いわゆる特殊教育。連邦レベルで義務付けられているもので、障害を持っている生徒が学習できるように、その子にあった学習プランを作り、必要なサービスを提供します。カスタマイズされた教え方や、セラピーなどをできるだけ他の学生と同じ環境で提供します。IEPをうけるためには、親が申し込み、学校が提供するアセスメントを受けて、IEPが必要だと判断される必要があります。IEPは学校側のコストが高いため、出し渋るのも現実。障害が学習能力に影響しているとはっきりと判断される必要があり、そこに満たない生徒は504Planを受けることが多々あります。

 504 Planとは、普段の学習環境を生徒のニーズに従ってカスタマイズするというもの。例えば、不安感が強い子にはテストや課題の時間を延長したり、希望の場所に座らせたり、静かな環境でテストを受けることを可能にしたり、フィールドトリップの際の班のメンバーを選べるようにしたり。サービスを提供するわけでないので、学校にとっても取り入れやすく、こちらはニーズが認められるとIEPより取りやすいといえます。

 IEPと504 Plan、どちらをとっても、まず親がそれについて知らないと始まりません。親の知識、時間や精神的余裕などがないと進めることができないため、やはり公平とは言い切れない制度です。それでも知っておくと役立つことがあるので、調べてみると良いかもしれません。

カリフォルニア州公認心理セラピスト、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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