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うつのスクリーニング -寺尾先生

2023.04.20

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うつのスクリーニング

 先日、数年ぶりに主治医を変えることにしたため、新しく見つけた近所の医者に行ってきました。待ち時間に問診票を渡され、答えを記入していたところ、うつの査定基準として使われているPHQ-9(Patient Health Screener-9)が冒頭で使われていました。これは今始まったものではないかもしれませんが、とても良い形式だと思います。氏名や生年月日など個人の基本情報の欄のすぐ後にあり、心の健康を大事に考えてるなと思う出来事でした。

 PHQ-9は合計9問の短い質問紙です。過去2週間のうつの症状についての質問を通して、うつの症状や診断が疑われるか、またその場合、どの程度の診断がつく可能性があるか測ります。個人がレポートする形式(self-report format)なので、正確な答えでない可能性があることも視野に入れ、診断はもっと詳しい調査をしてから行います。

 初めの2問は、過去2週間の間に、喜びや興味がほとんどなかったか、また落ち込んだり希望がないと感じたりうつを経験したかについての質問。その二つの頻度が「過去2週間のうちの半分以上」だと、裏にある残り7項目を答えることになっていました。

 うつの診断にはいくつかの種類がありますが、いわゆる薬が必要になる大うつ病(Major Depressive Disoeder)は、気分が低下する前後2週間にうつの症状が続いた場合に診断されます。気持ちが落ち込む原因として、喪失(愛する人を失って嘆く経験)や、他の病気が原因でない場合に限ります。

 大事な人を失ったり、失職したり、テストが不合格だったり、恋愛で傷ついたりと、悲しい出来事があると落ち込むのは当たり前。それらの出来事が終わってからも続き、自尊心や自信を失ったり、自分のせいだと思ったり希望を失ったりするとうつが疑われます。蔓延する、体の不調や不安感の原因にもなるうつは、早めに察知して対策を練るのが大切です。

カリフォルニア州公認心理セラピスト、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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