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摂食障害について -寺尾先生-

2024.01.31

配信

摂食障害について

 今回は摂食障害についてです。日本では90年代半ばに女優の宮沢りえさんが激痩せして話題になってからよく知られるようになりました。

 摂食障害は、自殺を含め死亡率が精神疾患の中でも高く、深刻な精神障害の一つです。例えばカリフォルニアには税金を使って精神疾患を治療するシステムがありますが、全て対象にしてくれるわけでなく、重いものが対象ですが、摂食障害はその中に含まれます。

 摂食障害には診断名がいくつかあります。大きな種類としては、① カロリーを取らずに痩せる拒食症(Anorexia Nervosa)、② 過食と体重が増えないための代償行為(嘔吐や下剤の乱用など)を繰り返す神経性過食症(Bulimia Nervosa)、③ 代償行為を行わない過食を繰り返す過食症障害(Binge Eating Disorder)、④ 極端に偏った食生活を送るため栄養が取れない回避制限制食物摂取症(ARFID)、⑤その他の摂食障害です。

 ① と② は、個人のボディイメージが大きく関わってきます。④ は、比較的新しい診断名で、子どもや思春期に多くみられます。

 今現在、はっきりとした原因はわかっていません。研究結果としては、環境的要因、痩せることへのプレッシャー、自己評価の低さ、遺伝的要素が絡み合って発症するだろうという見解です。 

 治療法としては、❶ 食生活の改善、❷ 考え方や感情を向上する心理療法、❸ 元になっている心のつっかえを取り除き、健康的な成長に繋がる心理療法が主流です。恥の感覚が多く、隠すために回復が遅れたり、治療を拒むこともよくあります。同じ病気で悩んでいる仲間に会うことは、しばしば大きな助けになります。拒食や嘔吐で極端に体重が落ちると、命を守るために入院するという場合も多々あります。摂食障害は、専門家に関わることが大変重要な病気といえるので、自身や家族が困っていたら早めに相談することをお勧めします。


寺尾 明希子(てらお あきこ)心理療法士

カリフォルニア州公認心理療法士、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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