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好きなように生きてみよう -寺尾先生

2023.02.03

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好きなように生きてみよう

 「こうしないといけない。」「こうであるべきだ。」多くの人の頭の中には、このような「べき」がつく事柄が渦巻いています。素の自分を出していて、周りに振り回されないと自負していても、今までの人生で培った理想の姿を追い求めることはよくあるものです。

 理想を追うのは素晴らしい。ただ、それによって息苦しくなったら、「べき」を追いかけるのをやめてみてはどうでしょうか。

 こんなことを私がわざわざ書くのには理由があり、それはこの仕事をしていると、つくづく生き方の多様性に驚かされるのです。人間というのは非常にうまくできていて、自分のニーズによってさまざまな症状が出る。例えば、職場で人間関係が思うように築けず、仕事が行き詰まると鬱になったり不安になったりする。鬱や不安は、「何かが思うようにいっていない」サインであり、自分自身や職場を見つめるきっかけとなります。重症になって仕事を休めば、休息にも繋がります。

 別の例では、成熟するのを恐れている女の子が、ダイエットに入れ込んだ結果、拒食症になったとします。体重が落ちて日常生活に支障が出れば、治療や改善に周りが躍起になり、その子は「周りからの助けを必要としている子」でいられる。体も大きくならないから、性に関する問題にも向き合うことも、成熟した大人として見られることも一時保留。成熟するのを恐る理由は何なのか、それをどのように克服するか、など、根本の問題に向き合うのは、体重が回復するまではなかなかできないでしょう。

 もちろん、わざと症状を出す人はいません。症状はその時の自分の表現だと考えてみたらどうでしょうか。私にとって、心の症状や病気は、悪いものでは決してありません。その方を反映する大変ユニークで大事なものです。なので、尊敬と好奇心を持ってクライアントに向き合います。症状の原因になっている本当の問題を紐解き改善することによって、その人が生きやすい人生に近づくことができるのです。

カリフォルニア州公認心理セラピスト、臨床ソーシャルワーカー。サンフランシスコ大学で心理学の学士号、心理学の修士号、社会福祉保健学の修士号を取得。現在はサンフランシスコ、ベイエリアで、対面とオンラインの両方で心理セラピーとコンサルテーションを提供。専門は、うつ、不安、人間関係の問題、摂食障害。家族機能不全から発生するさまざまな症状を扱う。また、問題を抱える人の家族向けのコンサルテーションも行う。

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