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日本とアメリカの歯科治療の違い - 森田先生(歯科医)

2023.11.29

配信

日本とアメリカの歯科治療の違い

今回は日本とアメリカの歯科治療の違いについてお話したいと思います。

保険制度
 日本とアメリカでは歯科保険制度が大きく異なります。日本では、大半の方が公的医療保険で治療を受けています。しかし、アメリカではお勤め先の会社が契約している歯科保険を使って治療することが一般的です。同じ保険会社でもプランが多岐に渡っているのも特徴的です。日本の医療保険と、アメリカの歯科保険で大きく異なるのが、保険でカバーされる治療の内容です。例えば、歯の詰め物治療の場合、日本ではメタルの詰め物が一般的で、白い詰め物を使用する場合は保険適用外と判断され、自費での治療を余儀なくされます。その点アメリカは白い詰め物が主流なので、保険適用治療とみなされます。セラミックの被せ物(クラウン)についても、日本では保険適用外ですが、アメリカでは一般的な保険適用治療になります。アメリカの歯科治療費は日本と比べると高額です。しかし見方を変えると、日本では保険適用外となる最新で最適な治療を、保険適用で選択できると考えればとても良いことだと思います。実際に、日本では保険適用外となる、歯科矯正やインプラント治療がカバーされるプランもあります。

専門医と連携した歯科治療
 日本では、専門医(神経治療医、矯正医など)を紹介される事例は少なく、かかりつけの歯科医が全ての治療を行うのが一般的です。その点アメリカでは、一般の歯科医と専門医との連携治療が普通です。その理由は治療成功率です。医療機関で様々な専門医がそれぞれの治療を行うのと同様に、難しい歯科治療に関しては連携治療を行います。そのため、アメリカでは歯科治療の成功率が高く、治療の質も世界トップレベルであると認識されているのです。

予防治療の積極的な対処
 虫歯や歯周病と判断された場合、日本では「様子を見ましょう」と言われることもあると思います。アメリカでは、予防治療に積極的に対処しているため、様子を見るという機会は少なくなります。親知らずを例に挙げてみましょう。日本では、痛みなどの自覚症状がひどくなってから抜歯することになりますが、アメリカでは、問題がなくても、ある年齢に達すると親知らずを抜歯するように勧められます。問題が大きくなる前に抜歯することで、感染などのリスクを防ぎ、口腔内の歯を1本でも多く、長く維持できるようにしているのです。


 このように国が違えば治療方針も違います。今まで、日本の歯科医で何も言われなかったとしても、全く問題がないとは言い切れません。痛みや腫れといった自覚症状が出る前に、一度検診に行って口腔内の状態を把握しておくことをお勧めします。


森田耕平(もりた・こうへい) D.D.S.

2005年のUC Berkeley大学卒業。2009年、ニューヨーク大学歯学部卒業。2010年からニューヨーク病院で研修を開始。口腔外科、審美歯科、小児歯科、インプラント治療について研究を重ねる。ICOI(International Congress of Oral Implantologists)、ITTI(International Team of Implantology)のメンバー。2012年クパチーノで開業。 

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