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レントゲンの役割 - 森田先生(歯科医)

2024.05.01

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レントゲンの役割

 「なぜレントゲンを撮らなくてはいけないのか?」「定期的に撮る必要はあるのか?」という質問を受けますので、今回はレントゲンの役割についてお話します。

レントゲンでは何が見えるのか?

 定期的に歯科医で検診を受けていたとしても、レントゲンを撮っていなければ、目視検診では確認できない部分が多々あるので、正確な検診は難しいと言えます。以下がその例です。

◉ 歯茎の下にある顎骨の状態の確認
 歯周病などがある場合、通常よりも骨が溶けているので、今後、治療や継続的な注意などしなくていけません。目視検診では見えないため、レントゲンで再確認をして、的確な治療プランが必要な場合があります。

◉歯と歯の間の虫歯の確認
 この部分にできる虫歯は目視検査では確認できません。大半の虫歯はこの部分にできます。歯磨きをきちんとしていれば歯の側面や咬合面に虫歯ができることは比較的珍しいです。そして、歯間部分はフロスやウォーターピックなどで直接清潔にしないと虫歯は簡単にできてしまいます。その上、歯間にできる虫歯は外からは見えません。全く症状がなく神経にまで到達しているケースも少なくないので、レントゲン撮影をしなければ確認は不可能です。

◉以前に治療した部分の経過の確認
 虫歯治療の後に新たな隙間ができていないかは、目視検診だけではできません。レントゲンを撮ることで細かな隙間が発見でき、必要な治療が早急にできます。そのような隙間部分の問題を放置しておくと、毎日フロスやウォーターピックを使っていても虫歯ができてしまいます。

◉神経治療をした部分が感染していないかの確認
 神経治療をされた歯は新たに虫歯ができても自覚症状がありません。その神経治療部分が再感染しても必ず症状が出てくるわけではありませんので、レントゲンで確認することで感染の有無がわかり、早期に治療をすることが可能です。

◉過剰歯、親知らずの歯の位置の確認
 お口の中には既に生えている歯だけではなく、歯茎に隠れている歯もあります。レントゲンを撮らなければ状態が確認できず、的確な治療ができません。

 以上のようにレントゲンの役割はたくさんあります。お口の中は変化が起こりやすく、少し違った角度でレントゲンを撮って初めてわかる虫歯や問題があることもあります。今ではデジタルレントゲンのおかげで、被曝量も健康には全く害の無いレベルでコントロールされていますので、定期的にレントゲンをアップデートすることをお勧めします。


森田耕平(もりた・こうへい) D.D.S.

2005年のUC Berkeley大学卒業。2009年、ニューヨーク大学歯学部卒業。2010年からニューヨーク病院で研修を開始。口腔外科、審美歯科、小児歯科、インプラント治療について研究を重ねる。ICOI(International Congress of Oral Implantologists)、ITTI(International Team of Implantology)のメンバー。2012年クパチーノで開業。 

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