Astro・Ajugaの十二星座占い

アメリカでの医者のかかり方 -紀平先生

2023.08.16

配信

アメリカでの医者のかかり方 -紀平先生

① かかりつけの医者-家庭医を決める。 
② 予約をする。
③ 家庭医で診断、治療できなければ、専門医の紹介を受ける。

 上記は私が過去20年間、この地で開業してからくどいほどに書いてきました。それでもなかなか理解されていないのが現状です。

 なにか健康上の問題が起こった時、また職場や学校で健康に関する証明書が必要な時など、医療面でのサポートをするのが家庭医です。まずかかりつけの医者ー家庭医(ホームドクター)を決め、かかることです。アメリカには昔から、なんでも診る家庭科医(Family Practice)という科があって、すべての科を回って3年の研修を行い、認定医の資格を受けます。日本の総合診療科にあたると思っていましたが、実は日本の総合診療科は「内科だけの総合診療科」で、小児科とか婦人科は診ないのだと最近知りました。
 多くの疾患はたいてい家庭医(小児科医も含む)が診断治療できます。日本では、例えば耳や鼻の病気といえばすぐ耳鼻科にかかるところですが、簡単な副鼻腔炎なら家庭医が診ます。中耳炎の場合でも同様です。医者によって「守備範囲」がかなり異なりますが、一般にいえることは、「守備範囲」を超えてまで手を出すことはありません。その「守備範囲」を超えた時が専門家の出番です。

 まずは電話で予約しましょう。アメリカでは大部分のクリニックが予約制を取っています。従って、いきなりクリニックに行っても、予約の患者の合間に空きが無い場合、診てもらえないことになります。COVID-19の影響で、最近ではテレメディシン(遠隔医療)が多くのクリニックで導入されています。その範囲で診療可能だと考えられるケースでは、有効な手段となっています。先に写真を撮って送る皮膚の相談とか、ご自分の車の運転席やら、屋外から携帯で受診される方もいます。それに関してもお電話で問い合わせください。

 紹介が必要な場合は、家庭医から専門医へ紹介されるシステムになっています。多くの場合、専門医にかかるのは手術、手技が必要な例か難治例です。時々見かけるのは単なる結膜炎で直接眼科にかかり、そのノートが送られてくることがあります。多分診察した眼科医も「あれ、ただの結膜炎でうちへ来たの?」という感じではなかったでしょうか。アメリカの専門医制度は日本に比べるとかなり専門化され、専門医の数も制限があります。逆に言えば、家庭医の「守備範囲」もかなり広いのです。

 以上を理解していただければ憂いなしです。


紀平 昌保(きひら・まさやす)
医学博士。名古屋市出身。名古屋大学医学部卒業。旧日本整形外科認定医。日本での医師歴7年。1992年よりアメリカで診察。アメリカ家庭科学科学会認定医。ホームドクターとして全科(内科、小児科、外科、婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻科、眼科、泌尿器科、精神科)、健康診断・人間ドック、理学療法担当。


この記事に関連する記事

一覧ページにもどる

share with ups!

新規会員登録

ベイエリアの求人・仕事情報・お知らせ・募集・不動産・個人売買情報はBaySpo!
無料で会員登録をすると、bayspo.comをもっと便利にお使いいただけます。

新規会員登録をする

サクッと読める!
BaySpoとeじゃんデジタル版をチェック!